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谷口巳三郎氏エッセー「熱帯に生きる」より

わたしの卒業式
 「・・・二番目のスローガンの"国の宝・・・"というのは、タイは農業国ですから、国の宝と呼ばれるような良い農民となって欲しいという我々の願望です。
最後のスローガンは、今日既に食糧が充分でなくなっている世界において、農民として食糧を生産するという重要な役目を擔う職業につくのだから、人類の諸問題、公共への関心を持ち人の為に尽くす精神を養って欲しいという高い目標を掲げたわけであります。
 我々の農場教育は、生徒達が家に戻ってから立派な一人前の農民となれるように育てるのが目的です。従って教室での講義も行いますが、どちらかといえば現場で身体と心に農業技術と農民としての強い心構えを叩き込む実践教育を主体としています。
 技術教育については内容が多岐にわたるためここで詳しく申し述べることは出来ませんが、生徒ひとりひとりの頭と身体に叩き込まれておる筈ですので、彼らが将来第一線の農民としてそれぞれ、田や畑、畜舎において立った時、この勉強の成果を見せてくれることと期待しております。
 汗のない所に良い作物、良い家畜は育たないのです。即ち"汗のない所に農業なし"です。我々はその様に考え若い生徒達を育ててきました。今日をもって此処での勉強は終了しますが、生徒諸君と我々の農場との関係はこれから後も続くことを願っています。
 さて、我々は生徒諸君の当農場での研修の終わりにあたり、諸君が将来良い農民になることを願いささやかな贈り物をしたいと思います。
 これは予め何がよいか生徒ひとりひとりと相談しました。ひとり1000バーツ(約3000円)程度内で将来にわたり自らの農業経営に役立つものをということで、果樹の苗木が17名、子豚が2名、ブロイラーが1名という希望に加え、堆肥をひとり3袋(1袋25kg)づつ終了記念としてプレゼントします。
 今、此の会場の前庭にそれらの品が並べてあります。これらはブロイラーの雛鳥以外はすべて勉強のために生徒諸君が実習において生産したもので、将来、農場の収益として販売を予定していたものの一部です。
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