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谷口巳三郎氏エッセー「熱帯に生きる」より

わたしの卒業式
 生徒諸君、愈サヨーナラですね、私には自分の可愛い子供達を遠くにやってしまう様な淋しさがありますが、遠い人でも100kmほどの所です。もし、心に迷いが生じたり、どうしたら良いか判断に迷った時には、いつでもこの農場の門を叩いて下さい。夜中の1時でも構いませんよ、」
 私はここで私の右手に並んで座った10人程の普及所、郡役所の職員、中学の教員、村長等の来賓に礼を述べた。
 「皆さん、皆さんの前に並んだ我々の終了生をあたたかく迎え入れ、良い農民になるようにご指導下さい。私どもから皆さんに差し上げます堆肥は一流品です。堆肥は将来のタイの農業に必ず必要となるものです。農民にサンプルとして見せられたり、庭先の野菜畑に使用頂ければ幸いです。」
 以上のような挨拶を終え、私は一度降壇した後、再び壇上に上がり終了証書の授与にうつった。
 ビンが生徒の名を呼ぶと、ひとりずつ壇上の私の前に進み出て合掌、「頑張りなさい」と厚紙で表装した終了証書を手渡す。それを右手で受けた生徒は直ぐ左に持ち直し胸に当て右手を差し出し私と固い握手を交わす。
1人1人に会場内より拍手が湧く。この証書授与の間、私はちょっとした演出をした。
授与式の雰囲気を盛り上げるため池松君に担当して貰い、宮城道雄の「春の海」をBGMとして流した。もっと良い適当な音楽があるかもしれないが、私の乏しい20本ほどのカセットテープの中にはこれより他に適当なものがなかった。
 次回からは若者の巣立ちに相応しい曲を、それも予め生徒達自身が練習した合唱曲を使うのも一案かと思っている。
 生徒総代、次いで父兄代表、来賓のお礼に祝辞と挨拶が続き会場での式は終了した。
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